正直になれない、

雑記メイン、トキドキ読書録

尖っている毎日へ

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)  二村 ヒトシ (著) 

 

 なんで俺を受け入れてくれないだ!

 俺は特別なんだ!

 なんで…なんで…。

 

 こういった妄想やこじらせを世間では「厨二病」と言いますね。

 これを大人まで引きずっているやつは「変わっている人」と呼ばれることもあります。

 

 上記の人って概ね信頼できる「居場所」がないことが多い。この居場所がないからこそ臆病になり、相手が先に受け入れるまで決して心の扉を開こうとしないのが常であります。そして、相手から話しかけてこない、他のやつらは仲よさそうにしやがって、と勝手に相手を恨んでしまう。そのため、居場所を形成することがどんどん難しくなるという負のスパイラルに囚われます。宮台真司は「女性(男性)と付き合うことができたらほとんどの悩みは解決する」といったようことをある本で述べていました。これはまさしく真でありましょう。恋人とは絶対的な居場所となります。学校でひどいいじめにあっても、職場でどんな失敗をしようとも、「私を受け入れてくれる」恋人の場所へ戻って安心することができるからです。

 

 ですが、居場所を形成できない人も多い。現代社会では特に地域のつながりも稀薄になっています。そこで展開される「コミュニケーションゲーム」に勝ち残れない人は冒頭のような妄想人間になってしまうのです。

  

 そんな状態の人間を著者は「キモチワルい」と一蹴します。なぜかって? 相手の土俵に上がれていないからだよ、と。

 自惚れバカは「イケてる俺に付いてこないなんてもったい」みたいな態度が全面に出てしまっているし、考え過ぎの暗い人は相手との接点がなくなるのでモテないのです。このようにキモチワルい、と言ってもそれぞれあります。それを著者はまず、モテるとはどういうことか、何がキモチワルい要素になっているか、自分はどんな人間なのか、ということを分析、後半では前半で理解した自分の現状からどう行動していくのかを指南します。

 本書はいくつも存在する「モテ本」とは一味違います。モテないことを玉ねぎの皮を剥ぐようにして根本を探っていくものとなっています。そして、根本にはキモチワルさが存在しています。そのキモチワルい人間にはどんなパターンがあるかをさらに分析しています。「なんで俺は…」と現実から逃避し、自分分析ができない人に代わって著者がやってくれる。このことだけでも読む利点になります。

 

印象に残った言葉

「相手の態度や性格や、状況によっても、(分類のタイプが:引用者注)ころころ変わるものです」

 

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)