正直になれない大学生ブログ

趣味、鬱憤、等々つらつら書いていく。そんなブログ。

人類の衰退の末ロ?

人類は衰退しました 平常運転 (ガガガ文庫)  田中 ロミオ (著), 戸部 淑 (イラスト)

 

 社会風刺がとても効いているラノベのようで、戯作と見比べる上で購入した。

 ずっと1巻を読んでいると思っていたが、最後のあとがきにて短編集だと知る。どうりで分からない話が出てくると思った(汗)

 

 社会風刺が効いている、という先入観で読み始めていたので、全部が社会を皮肉っている文章なのではないかと深読みしながら読んでいた。深読みし過ぎて疲れた。

 わかりやすい風刺もいくつかあって、一つはこれ。

「しゃっちょめいれい。しんしょーひん、かいはつするです?あしたまでに!」

「しかしながらしゃっちょ」
「なにかね?」
「したうけ、しぬです?」
 社内がシーンと静まりかえりました。
 下請けは兄弟、下請けは家族。
 互いに助け合うことで、この世知辛い衰退世界で生きていける......。その大事な大事な下請けが、過労死してしまうかも知れないのです。いったいどうしたらいいの?
 沈黙を破る社長の一言。
「......それをやらせるのが、きみのしごとでは?」
 
 何人死んだかは知りませんが、新商品が完成しました。

 …なんともポップでしょ?(笑)

 他にも、意味のない話が続く会議、歴史をしらない日本人、他人との評価を気にする人々、などをポップに話に組み込んで表現している。(もしかしたら考え過ぎてる部分があるかも…)

 読んでいて、「あぁ〜、これはこのこと言っているな。あれはこのこと…」と終始いろいろ考えさせられてしまう。

 

 人類の衰退という大きなテーマの中で、今の人間かどんな存在であるかを写し出してくれる、また過去未来も人間の本質は変わらないであろうことを感じさせる小説だった。ぜひとも本編も購入したい。

 

印象に残った言葉

「人間ってのは生きる不安がなくなれば、次のより高度な欲求が出てくるものなんだ。食い扶持がなけりゃあ食い物探しに必死になるが、満腹になりゃあ次はねぐらよ。そんでねぐらが見つかりやぁ、次はスケや家族ってな具合だ。そうやって欲求の段階が上がっていくと、最後はこんな欲望が出てくる。人に認められたいって欲求がな。(略)

 皆から優れた存在であると認められたい。それまで同格だった奴らに差をつけたい。屈服させたい。そのためには評価がいる。評価が高けりゃあ、優れてるってことだからな。」

 

 

今週読んだ本
  • 本の中の世界 (1963年) (岩波新書) 湯川 秀樹 (著) – 1963