正直になれない大学生ブログ

趣味、鬱憤、等々つらつら書いていく。そんなブログ。

国家の底力は品格に通ず

国家の品格 (新潮新書)  藤原 正彦 (著)

 

 一貫して述べることは、財力に任せた市場主義をやめて、また、論理だけ解決できると盲信せずに昔ながらの情緒あふれる日本を取り戻そう、と訴える内容。
 品格のない著者の講演記録をもとに、それを大幅修正してまとめたものだけあって、やや暴論に近いものや、証明しきれていない記述も目立った。

 

目次

第一章 近代的合理精神の限界
第二章 「論理」だけでは世界が破綻する
第三章 自由、平等、民主主義を疑う
第四章 「情緒」と「形」の国、日本
第五章 「武士道精神」の復活を
第六章 なぜ「情緒と形」が大事なのか
第七章 国家の品格

 

国家の品格を備えるために

 国家の品格を備えるには、第1条件「美の存在」第2条件「跪く心」第3条件「精神性を尊ぶ風土」の三つが必要なそうで、これが揃っていればいるほど天才秀才が生まれやすくなる。
 日本はこの三つを備えているが、西欧からきた資本経済が天才秀才が生まれにくくするのだ、と著者は主張する。(数学者でありながら)論理よりも昔ながらの情緒を重んじる著者の言いたいことはわかるのだが、実際に資本主義に侵食されて、情緒が廃れてきているかどうかは疑問。
 しかし、『日本辺境論』にもあったが、(論理的思考を重視し過ぎて)効率化を求め過ぎているのは納得できる。

 

国の底力が必要、付け焼き刃はダメ

 たまに、応用研究より基礎研究を育てろ、と耳にしますが、まさに言いたいのがそれ。
 基礎科学というのは、「将来の経済的価値の見込みが未知数な研究」で、応用科学が、「市場に出ることを見込んだ、役立つ研究」こと。
 著者も、数学や理論物理のような「「すぐ役に立たないこと」を命がけでやっている人の層が厚いということが国家の底力と思うのです。」と言っている。
 たしかに、市場に向けた(すぐ儲かるような)応用研究で、資源等を使い切ってしまうよりは良いのかもしれないと感じた。

 

印象に残った言葉

「論理は重要ではあるけれども、出発点を選ぶということはそれ以上に決定的なのです。」

 

国家の品格 (新潮新書)

国家の品格 (新潮新書)

 

今週読んだ本
  • 国家の品格 (新潮新書) 藤原 正彦 (著) – 2005/11
  • 続「超」整理法・時間編―タイム・マネジメントの新技法 (中公新書) 野口 悠紀雄 (著) – 1995/1
  • 「捨てる!」技術 (宝島社新書) 辰巳 渚 (著) – 2000/4
  • バカの壁 (新潮新書) 養老 孟司 (著) – 2003/4/10