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正直になれない大学生ブログ

趣味、鬱憤、等々つらつら書いていく。そんなブログ。

二項対立で説得力のある文章を 〜線を消したり、引いたり〜

大学生の論文執筆法 (ちくま新書)  石原 千秋

 
 先週のタイトルと酷似。
 この本は、主に「文科系(中でも文学好き)の大学生か大学院生」のために、第一部では論文の書き方を思いつくままに、第二部で二項対立で論文を書く術を例文を紹介しながら、論文の書き方を解説する。あと時々、余談とカルスタ批判。
 
 著者は、成城大学の教員を経て、現在は早稲田大学の教授として働いており、大学で教えてきた内容を本で紹介してくれる。ちなみに成城大学の学生が書いたレポートを扱った、『学生と読む『三四郎』』(新潮選書)という本が刊行されているらしい。
 
エッセイ的な1部
 大学生に論文の書き方を教えるに当たって、まず身近であろうレポートの書き方から説明するが、論文の書き方と重なる部分も多い。講義レポートのコツも教授目線から教えてくれる。
 
 小見出しごとに一つの内容について書いてくれるので、読みやすく、また検索性も高いと思う。
 しかも階層性で、例えば、
  
三 レポートの作法
三・一 タイトルを付けること
三・一・二 テーマ設定と枚数
・ 
・ 
三・七 夏休みは不良になれ
三・八 たった一つのテーマで書くこと
三・八・一 論文は構成を考えること

 

のように並べてられています。

 

著者の伝えたい2部
 第二部では、はじめに線を引く意味について軽く紹介し、例文を用いて実践に入っていく。おそらくここで一度心が折れるかもしれない。(中古で買ったのだが、マーカーが2部になった途端消えていた。)
 二項対立を用いた例文は7つあり、著者がその例文のあとに解説する。この解説はわかりやすく、例文が”ちんぷんかんぷん”だったとしても、理解しやすい。
 また、例文と解説を読み進めていけば、内容を把握していくスピードが上がっていくように感じられた。
 
 著者は一部で、二項対立を使う文章についてこのよう述べる。
 
 受験生なら二項対立を使って読めばよかった。しかし、大学生は違う。自分で二項対立が作れなければならないのだ。それは自分なりの世界を持つということ、いや自分なりの世界を創ることだと言える。つまり、クリエーターなのだ。それが知的な思考の入り口である。
 (略)もちろん、二項対立的思考を否定する立場があることはよく知っている。しかし、二項対立を否定する場合でも、二項対立は<良い/悪い>と二項対立を使わなければならないのだ。それほど、二項対立は僕たちの思考そのものとなっている。それを乗り越えるのは、まず二項対立を身に付けてからの話である。

 

 そして二部で、まず線を引くこと、あるいは線を消して引き直す重要性を主張する。

 著者の言葉を借りるなら、線を引くことが、「僕たちの思考のはじまり」になる。

 

印象に残った言葉
 「よく大学の授業がつまらないという声を聞くが考えてもみてほしい。週に一〇コマ以上の授業がみんな興奮するほど面白かったら、君たちだって身が持たないだろう。(略)週に二コマか三コマ「面白い」授業があったら、学生生活としては十分ペイしているはずだ。一週間を,その授業が中心になるように計画すればいい。」
 
大学生の論文執筆法 (ちくま新書)

大学生の論文執筆法 (ちくま新書)