正直になれない大学生ブログ

趣味、鬱憤、等々つらつら書いていく。そんなブログ。

元クラスメイトの残酷な死

顔のない男  ステファン アーンヘム 堤 朝子(訳)

 

 この作品は、主人公フォビアン・リスクが家族と共に、ストックホルムからヘルシンボリに引っ越すところから話が始まる。事件は両手を切断された遺体の発見から始まり、次には足の切断された遺体が、とその後も事件が続いていく。リスクは30年前のクラス写真と豊富な経験を活かし、事件解決を試みる。

 

 フォビアン・リスクはチームワークを意識しない人間で、ひたすら正しいと思ったことを追い続ける。そのことで大きな失敗を犯すが、それでもめげずに犯人を追うリスクの姿が、事件解決に絶望している捜査員の士気を徐々に上がっていく。

 そして、この作品は、ただ奇怪な事件の話というだけでなく、警察同士の協力の重要性に気づかせてくれる。話の中盤で、リスクが事件に関する重要な手掛かりをコペンハーゲンで見つけるのだが、コペンハーゲンの警視であるキム・スライズナーが手柄を横取りしようとなかなかヘルシンボリに情報を渡さない。そんな情報共有がされないうちに事件は悪い方へ進んでいくのだが、その後も度々キム・スライズナーは横槍をいれてくる。もし、二つの警察が協力できていたら、もっと事件の解決が早まったのではないかと思わずにはいられなかった。

 

 横文字の名前が覚えられなかったり、分からないジョークが出てきたり、この作品を十分に楽しめたとは言えなかった。しかし、それでも次から次へと新事実が出てくるテンポのよさに、飽きずに読むことができた。TVドラマ化もされるようなので見てみたい。

 

印象に残った言葉

「子どものころにいじめられていた者は、大人になってもいじめにあいやすいと聞いたことがある。周囲の人間が彼らの弱さやどうしてもぬぐい去れない特徴を嗅ぎとるのだ。」

 

刑事ファビアン・リスク 顔のない男 (ハーパーBOOKS)

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