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正直になれない大学生ブログ

趣味、鬱憤、等々つらつら書いていく。そんなブログ。

家にいる恐怖

小説

禍家 三津田信三 

 
 
 久々に一気読みしてしまった。以前読んだ『ゴーストフォビア』はホラーとして認識していない。
 
 シナリオはニコ動で実況者がよく遊んでいるようなホラーフリーゲームに雰囲気がよく似ている。
 物語は引っ越しから始まり、引っ越し先の家で様々な霊体験をするものだ。主人公は自分の家や町並みに既視感を感じるが、その既視感が実は昔の記憶だと知る。最後に主人公は悪しきものに立ち向かおうとして…。
 
 ホラー映画、ゲームの主人公はなぜ、あえて危険な道を進むのか謎だが、話が進まないのだから仕方がない。貢太郎ダメだと分かっていても進む、怖いと思っていても好奇心が勝る。まさにホラーの主人公にぴったりな性格だ。彼も自分のことをよく分かっているようで、『(前略)ホラー映画を観ていて、なぜ忌むべき場所からさっさと逃げ出さないのか(中略)その舞台が自分の家となると、そんなに簡単にはいかないことが分かった』と自嘲的に分析する。
 
 流れはとてもシンプルで、謎→被害→調査→真相→解決、という流れで読みやすかったし、家の探検も各部屋づつ攻略していくので理解しやすかった。逆に理解しづらかったのが、引っ越し先の”うぬき町東四丁目”という町で、建物の並びがイマイチ掴めず、後半までぐだぐだした笑 
 また、最後に貢太郎が昔の友人、清へ送った手紙が何の伏線だったのかがイマイチよく分からなかった…。だれか教えて!笑
 他にも、心情描写は読んでるこちらを引き込ませる効果はあるのだが、部屋の中で逃げ惑うシーンでやたら心情描写と観察描写が長くて、貢太郎が逃げ惑っている部屋が50mくらいあるのではないかという錯覚を起こした。その分テンポは悪いのだろうが、一軒家の中を舞台にしてここまでの恐怖を味わえるのは素晴らしいなと思った。子供の頃、自宅で感じた暗い部屋への恐怖、そして、唯一くつろげる空間である自宅がとても危険な場所だという恐怖を感じて欲しい。
 
 ホラー小説は初めてだったのでいろいろと新鮮だった。今回の禍屋はややラノベではあったが、次は本格ホラーにでも挑戦してみようか。
 
 
禍家 (角川ホラー文庫)

禍家 (角川ホラー文庫)