正直になれない大学生ブログ

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スロウハイツの神様 上巻

 スロウハイツの神様(上) 辻村深月

 
 
 現代版トキワ荘の物語? 第1章は、主要登場人物と大まかなキャラ設定の把握。第2章は、狩野が正義、スー 、黒木、コーキとの出会いを語る回想。第3章は、チヨダコーキと黒木の紹介。第4章は、エンヤの秘密と環の身を削った脚本の受賞。そして、第5章は、少年「フラット」のコピー雑誌の出現と、新しいスロウハイツの住人として加々美莉々亜がやってくるお話になっている。
 上下巻と分かれているせいもあって、上巻では、狩野が登場人物に対する考察や、紹介を含みながら話が進み、惜しげもなく主要登場人物の個性、性格が描き出されている。漫画家志望の狩野を除いて。なので、狩野が皆と一定の距離を持って俯瞰しているように思えるかもしれない。
 狩野は『何かを始めようと思う人間は最初からある程度才能を持っているに決まっているから』と名言を吐いていたが、狩野自身はどうなんだろう…か。優しさと願望の両方が感じとれるセリフになっている。
 
 私が一番気になったのことが、物語には関係がないが、コウちゃんのとある事件の件だ。コウちゃんのとある事件では、マスコミが騒ぎ、一般市民は、平穏で退屈な日常からの脱却を求めて、自分には『責任』のないイベントを楽しむ。都合の良いことしか流さないマスコミにヘドが出るが、現実でもそうだろう。9の功績と1の汚点があったら1の汚点が嬉々として、表にひっぱり出される。
 
 チヨダ・コーキは読者の『代弁者』のようだと狩野が言っていたが、辻村さん自体にも私はそう感じる。どうしようもない不甲斐なさや、自己陶酔感を表現してくる。
 
 最後に環が、『これじゃまるで、私は道化だ。』というセリフがあるが、どういうことだろう。下巻に期待。
 
 
スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)

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